小麦粉の代用はどのグルテンフリー粉がおすすめ?価格とレシピで比較

グルテンフリーにしたとき、小麦粉を何で置き換えたらよいのか悩みますね。

はじめて聞く穀物粉やスーパーフードがネット上で紹介されており、栄養成分の点で優れているようですが、値段が高いので、小麦粉の置き換えには適当ではありません。

さまざまなグルテンフリーの穀物粉について、その特性と価格から、小麦粉を置き換えるメリットがあるのかどうかについて、料理ごとに検討していきましょう。

お好み焼き・たこ焼きには米粉

お好み焼き、たこ焼きのような、いわゆる「粉もの」で使われる小麦粉を別のもので置き換えるとなると、選択肢は米粉しかありません。

米粉はうるち米を細かく製粉したもので、昔から使われてきた上新粉などと比べると、さらに粒径が細かくなっています。農林水産省が2017年3月29日に公表した「米粉の用途別基準」で「1番」に分類されている米粉が、お好み焼きやたこ焼きにはピッタリです。その理由を説明していきましょう。

味、香り、食感から小麦粉の置き換えを考える

米粉を使ってお好み焼きやたこ焼きを作ると、味や香りは違和感がありませんが、少しぼそぼそする場合があります。これは粉の粒径が大きく、揃っていないことが原因です。

米粉の用途別基準に合っている米粉は、「粒径が75µm以下の比率が50%以上」と決まっており、これを使えば、ある程度、ぼそぼそ感は解消できます。

 

ところで米粉はメーカー・製品によって、品質にかなり違いがあります

小麦粉の場合は「薄力粉」といえば、どこの製品を使っても、ほぼ同じ出来上がりですが、米粉の場合は全く違います。これは製粉の方法が異なるためと思われます。後ほど説明しますが、一番違いが出るのが「米粉パン」です。

最近、ダイエットに最適という触れ込みで「大豆粉」が注目されています。大豆粉には、

  • 血糖値が急激に上昇しない
  • たんぱく質と食物繊維が多い

という特徴がありますが、カロリー自体は小麦粉、米粉と大きく変わりません。

この大豆粉はどうでしょうか。

小麦粉の代わりに大豆粉を使ってお好み焼きを作ると、味、香り、食感とも、全く別物になります。味と香りは、大豆そのものです。そして食感はかなり「もそもそ」します。これはお好み焼きとは明らかに別の食べものです。好き嫌いはあると思いますが、置き換えにはならないと感じます。

価格から小麦粉の置き換えを考える

小麦粉の原料の薄力粉は1 kgあたり240円くらい、薄力粉に調味料とベーキングパウダーが入ったお好み焼き粉は1 kgあたり710円くらいです(2021年9月現在)。これに対して、お好み焼きで小麦粉の代わりに使えそうな穀物粉の価格をまとめました。

あわせて置き替えた際の「味・香り・食感」についても記載しましたが、これはあくまで個人的な見解です。

価格 置き替えた際の「味・香り・食感」
そば粉 600円/1 kg
米粉 610円/1 kg
大豆粉 640円/1 kg ×
ソルガム粉 1,940円/1 kg
アマランス粉 4,840円/1 kg
ひえ粉 5,200円/1 kg
テフ粉 10,000円/1 kg

価格の点で使えるのは、そば粉、米粉、大豆粉と思われます。

ソルガム粉やひえ粉はイネ科の雑穀を粉にしたもので、戦前は米より安い価格で取引されていたものでした。現在、希少性からこのような値段がついていますが、栄養的に優れているわけでもないので、選択するメリットはありません。

またアマランス粉とテフ粉は、すわゆるスーパーフードといわれるものですが、こちらも費用対効果の点からいえば、購入するメリットはありません。

そもそも小麦粉の一部置き換え用で、全部を置き換えるという使い方は、想定されていません。

パンも米粉がおすすめ!でも注意が必要

めんと並んで小麦粉を使った食品の代表格です。グルテンフリーにするとパンが食べられなくなると嘆いている方もおられるでしょうが、グルテンフリーの米粉パンを売るベーカリーがありますし、大きな食品スーパーでは、冷凍食品や常温保存品が置いている店も増えました。

ただ米粉パンについては、注意していただきたいことがいくつかあります。

市販の米粉パンにはグルテンが入っていることがある

米粉パンという名前で販売されているものには、次の3種類があります。

  1. 小麦粉を使わず、100%米粉だけで作られた、グルテンフリーのパン
  2. 小麦粉を使わず、米粉80%とグルテン20%を混ぜて作られたパン
  3. 原料に米粉(玄米粉のこともある)を混ぜて作られた小麦パン

いうまでもなく、②と③はグルテンフリーではありません
ベーカリーでパンを対面販売する場合、原材料やアレルゲンの表示義務はありません。そのため、棚の米粉パンが、①~③のどれなのか、わからない場合があります。表示していない場合は、必ずお店の人に確認してください。

市販のグルテンフリーの米粉パンには食品添加物が入っている

食品スーパーで売られているグルテンフリーの米粉パンは、原材料やアレルゲンを表示しなければなりません。

裏を見ると、いろいろな食品添加物が使われていることがわかります。もともと小麦に含まれているグルテンのおかげで、パン生地が発酵し、ふっくらとしたパンができあがりますが、グルテンが入っていないと、うまく膨らみません。

そのためよく使われるのが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)という化学物質です。HPMCはかなり安全な部類の食品添加物ですが、アレルギー体質やアトピー素因のある方で、余計なものは体に入れたくないという方も多いと思います。

市販のグルテンフリーパンには、この他にもいろいろな化学物質が添加されていますので、購入する前に確認されることをお勧めします。

自分で作るのならパン用米粉を使う

ホームベーカリーがあれば、自宅で簡単にパンを焼くことができます。このとき小麦粉以外の原料の選択肢としては、米粉と大豆粉があります。

この2つは価格もほぼ同じですが、小麦粉で作ったパンに近いものができるのは、米粉です。大豆粉でも作ることができますが、大豆粉メーカーの指示通りに作ってもうまく膨れないことも多く、大豆の味が濃いパンができ上ります。米粉の場合は米粉自体の味や香りが強くないので、パン酵母の香りがするおいしいパンができ上ります。
米粉を使ってパンを作るときは、「米粉の用途別基準」で「2番」に分類されている米粉を使ってください。これは次のような特徴があります。

  • 粒径75µm以下の比率が50%以上 … 粒径が小さく揃っているため気泡を作りやすい。
  • でんぷん損傷度が10%未満 … 吸水しにくい
  • アミロース含有率15%以上25%未満 … 食感がちょうどよい

さきほど説明したように、同じ「2番」のパン用米粉でも、メーカー・製品によって性状が異なるようです。

米粉のパッケージやホームベーカリーの取扱説明書に「作り方」が記載されているので、必ずその指示に従ってください。例えば、

  • 冷蔵庫で冷やした水を使う
  • バターを使わず植物油を使う
  • パン酵母を入れるタイミング

など、指示通りに行わないと、生地がうまく発酵せず、おいしいパンができません。

また米粉によっては、指示されたとおりに作っても、きちんと膨れない場合もありました。このあたりはネット上の口コミ情報を参考にするといいと思います。

天ぷらには米粉、から揚げには片栗粉

天ぷらの衣は小麦粉を冷水に溶かし、卵を加えて作ります。冷水を使うのは、グルテンができるのを防ぐのが目的です。そのため市販の天ぷら粉では、小麦粉の代わりに小麦でん粉や加工でんぷんを使っている場合もあります。

このように、もともとグルテンは不要なので、米粉での置き換えは比較的容易です。

問題は食感です。米粉で作った天ぷらの衣は固くなります。これは小麦粉に比べて米粉の粒径が大きいことが理由です。そのため市販の米粉のうち「用途別基準」で「1番」と記載されているものがよいでしょう。

すでに説明したように、「粒径が75µm以下の比率が50%以上」という条件に適合したものだけが、用途別基準で1番という表示をすることができます。

米粉は油を吸いにくい性質があるので、小麦粉で作った天ぷらより、油っぽくありません。きちんと比較したわけではありませんが、米粉で作った天ぷらの方が、カロリーが低いと考えられます。

から揚げで使う小麦粉は、片栗粉で置き換えることができます。もともと使う量が少ないので、味や食感に大きな変化はありません。

とろみ付けにはコーンスターチか片栗粉

小麦粉をとろみ付けに使う場合がありますが、これはコーンスターチ片栗粉で置き換えることができます。

コーンスターチと片栗粉は特性が全く異なるので、目的に応じて選んでください。価格はコーンスターチは小麦粉とほぼ同じ、片栗粉は小麦粉の2倍程度ですが、使う量が少ないため、価格は大きな問題にはなりません。

コーンスターチ 片栗粉
水に混ぜたときとろみのつきやすさ つきにくい つきやすい
とろみの強さ 弱い 強い
とろみの安定さ 安定
冷えても粘度が変わらない
不安定
冷えると粘度が下がる
とろみがついたときの色調 白っぽい 透明

焼き菓子には米粉、大豆粉、そば粉

クッキーなどの焼き菓子は、高温で加熱をすることと、他の具材(砂糖、たまご、牛乳、バターなど)の味が強いので、米粉、大豆粉、そば粉のどれを使ってもおおむね問題ないと考えられます。

これ以外の穀物粉を使うこともできますが、お好み焼きのところで説明したように、価格が高いため、小麦粉を置き換える目的で使うメリットはないように思います。

揚げ物には米粉のパン粉か砕いたオートミール

揚げ物に使うパン粉は少々厄介です。米粉で作ったパン粉が市販されていますが、手に入りにくいうえ、値段も高いです。自分で作った米粉パンをおろし金で削って自家製パン粉を作ることもでます。またグルテンを含まない穀物であるオーツ麦でできたオートミールがあれば、これを細かく砕いて、パン粉の代わりに使うこともできます。サクサクしてなかなかおいしいです。

グルテンフリーではない粉に注意

小麦粉にはグルテンが含まれています。これを置き換える穀物粉として、ネット上では次のようなものを勧めている場合があります。グルテンが少ないとか、グルテンレスであるとか記載がありますが、間違えている場合もあるので、注意してください。

スペルト小麦粉

現在、わたしたちが食べている小麦の祖先にあたる品種です。品種改良されていないので、体によいとか、グルテンが少ないとかネット上で書かれていますが、すべて間違っています。

  • スペルト小麦がからだによいという明確な根拠はありません。
  • スペルト小麦と普通小麦に含まれるグルテンの量はほとんど同じです。

日本ではドイツや東欧で栽培されたものが出回っていますが、そもそも本当にスペルト小麦かどうか、確認する方法がありません。価格はふつうの小麦粉の5倍以上です。小麦粉を置き換えるメリットは全くありません。

じん粉・浮き粉(小麦でん粉)

小麦のでんぷんを粉にしたもので、小麦からグルテンを除去した残りのでんぷんです。小麦粉に比べるとグルテンの量は少ないですが、あるメーカーの製品の分析結果では0.2~0.9%のたんぱく質が含まれていました。

用途としては、たこ焼きを作る際に小麦粉に加える、点心、蒸し餃子、中華団子、水まんじゅうの原料、天ぷら粉として使う、スポンジケーキの材料などがあります。主に業務用で使われています。価格は1 kgあたり540円と、小麦粉の2倍です。

小麦粉に近い特性があるので、どうしても小麦粉の風味を損ないたくないときに、小麦粉の代わりに使うのはアリかもしれませんが、グルテンフリーではないことを忘れないでください。

大麦粉

大麦の表皮を取り除き、粉にしたものです。大麦を焙煎したのち粉にしたものは「はったい粉」または「麦粉」、発芽させてから粉にしたものは「発芽大麦粉」、もち麦(大麦の一種)を粉にしたものは「もち大麦粉」と区別されています。

小麦粉に比べてたんぱく質が少ないため、グルテンの量も少ないですが、グルテンフリーではありません

大麦粉は菓子、パン、めんの原料として使われています。ただ価格は1 kgあたり1,700円(小麦粉の7倍)と高いうえ、グルテンフリーではないので、大麦粉で小麦粉を置き換えるメリットはありません。

ライ麦粉

ドイツの黒パンの原料として使われるライ麦を粉にしたものです。表皮と胚芽を含めて粉にしたもの(全粒粉)と、胚乳の部分だけを粉にしたものとかあります。

大麦粉と同様、含まれるグルテンの量は少ないですが、グルテンフリーではありません。価格は1 kgあたり410円です。パンや焼き菓子の原料としては使えそうですが、それ以外の用途に使えるかどうかはわかりません。

まとめ

  • お好み焼きやたこ焼きで使われる小麦粉の置き換えには、米粉用途基準で1番に分類されている米粉が適している。
  • パンで使われる小麦粉の置き換えには、米粉用途基準で2番に分類されている米粉が適している。ただし米粉製品に記載されているとおりの分量と手順で作らないと、うまくできない。
  • 市販の米粉パンの中にはグルテンが使われているものがある。またグルテンフリーの米粉パンは食品添加物に注意が必要。
  • 天ぷらの小麦粉は米粉で、から揚げの小麦粉は片栗粉で置き換えるのがよい。
  • とろみ付けに使う小麦粉は、コーンスターチか片栗粉で置き換えられるが、この2つは特性が異なるので、目的に応じて適した方を選ぶこと。
  • 焼き菓子に使う小麦粉の置き換えには、米粉、大豆粉、そば粉が使える。
  • グルテンフリーをする際の小麦粉の置き換え用として、グルテンフリーではない粉、例えばスペルト小麦粉、じん粉・浮き粉、大麦粉、ライ麦粉が紹介されていることがあるので注意が必要。

グルテンフリー食品まとめ

小麦粉を置き換えるには、グルテンの役割をカバーするための知識や技術が必要です。メーカーさんの工夫によって製造されている、おすすめのグルテンフリー食材をカテゴリー別にご紹介!