グルテンフリーのグルテンってなに?体に悪いの?

グルテンとは

グルテンはたんぱく質、どんな特徴があるのか

グルテン小麦、大麦、ライ麦に含まれるたんぱく質です。

グルテンに水分を加えてこねると粘り気のある状態に変わります。そのためパン粉に水を加えてこねると粘り気が出て、イースト菌を加えることで発酵が進んで生地が膨らみます。グルテンがあるおかげで、イースト菌が作る炭酸ガスをパン生地の中に閉じ込めることによって、ふっくらとしたパンを作ることができるのです。

膨らむパン

グルテンは水を加えてこねると形成される

ところで自然界にはグルテンという物質は存在しません。

グルテンは、水分がある状態で、小麦に含まれる2種類のたんぱく質をこねることで、初めてできるのです

小麦粉の場合、重量の6~15%がたんぱく質ですが、そのうち85%が水に溶けないグルテニングリアジン、残り15%が水に溶けるアルブミンとグロブリンです。グルテニンとグリアジンはほぼ同量含まれていて、水を加えてこねると網目状に絡み合って、粘り気のあるグルテンになります。

網目状で粘り気があるため、肉や魚に含まれるたんぱく質と比べて消化されにくく小腸細胞に貼りついてしまう場合があります

グルテンはどこにあるの?

グルテンは、小麦、大麦、ライムギとその交雑種である穀物の胚乳、胚芽、表皮の部分にあります

種である小麦は、やがて発芽し植物となります。その芽になる部分が「胚芽」で粒全体の2%、発芽のための養分となるのが「胚乳」で83%、そして「表皮」が15%と言われています。


一般的な小麦粉は、胚乳の部分を粉にしたものですが、全粒粉といわれるものは、胚乳、胚芽、表皮すべてを粉にしています。

外皮は「ふすま」(英語ではbran)と言われ、家畜のえさにされますが、栄養価が高いので、食品として利用する動きもあります。

ちなみに胚乳にはたんぱく質が8~12%、胚芽にはたんぱく質が33%、表皮には16%含まれています。インターネットの記事に「小麦ふすまにはグルテンが含まれていない」という記述がありますが、誤りです

また「グルテンは小麦の胚乳から生成されるたんぱく質の一種」という記述がありますが、グルテンを製造する際、胚乳を製粉した小麦粉を原料としますので、間違いではありません。しかし胚乳以外の部分に含まれていないということではないので、注意が必要です。

最近、青汁の原料としてよく使われている大麦若葉にも、量は少ないですが、たんぱく質が含まれています。ですので、グルテンを絶対に摂りたくない場合は、避けたほうがよいかもしれません。

グルテンは体によくない

消化されにくい

人間は生きていくために、たんぱく質を食物から摂らなければなりません。たんぱく質は、アミノ酸が鎖状につながり、またその鎖どうしがつながって網目状になり、さらに複数の鎖と網目が複雑に絡み合って、立体構造になったものです。人間が栄養源として吸収・利用できるのは、構成単位のアミノ酸です。

食物として摂取したたんぱく質は、胃、十二指腸、小腸で消化酵素によって分解され、アミノ酸になります。そして小腸の壁から吸収されて血管の中に入り、全身へ運ばれます。アミノ酸は体内で再びたんぱく質になり、筋肉、臓器、皮膚、毛髪の構成成分になるほか、体の機能を調整するホルモン、酵素などの原料としても使われます。

たんぱく質には、肉、魚、卵、乳製品に含まれる動物性たんぱく質と、大豆、小麦などに含まれる植物性たんぱく質があります。動物性たんぱく質はその成分から、ホエイ、カゼイン、卵白の3つに、植物性たんぱく質は大豆たんぱくと小麦たんぱくにそれぞれ分けられます。この5種類のたんぱく質について、吸収される比率と体に保持される比率をまとめたのが、次の表です1)

動物性たんぱく質 植物性たんぱく質
ホエイ カゼイン 卵白 大豆たんぱく 小麦たんぱく
摂取した量 100 100 100 100 100
吸収された量 88 98 94 82 76
からだに保持された量 92 76 94 61 41

動物性たんぱく質はいずれも摂取した量の88~98%が吸収されています。そして吸収されたあと、ホエイと卵白はそれぞれほぼ100%が体に保持されています。

一方、植物性たんぱく質は動物性たんぱく質に比べて吸収される比率が低く、大豆たんぱくでは食べた量の82%、小麦たんぱくでは食べた量の76%しか吸収されていません。

小麦たんぱくの吸収率が悪いのは、消化(=分解)されにくいからです。先ほど説明したように、たんぱく質は、アミノ酸にまで分解されないと、吸収されません。ところが小麦たんぱくの85%を占めるグルテンは、水に溶けず、網目状で粘着質であることから分解されにくく、アミノ酸に完全分解されないまま小腸へ入ってくることがあります2)。消化が悪い食べ物は、胃腸に負担がかかります。

腹部膨満、下痢、便秘、腹痛の原因

消化(分解)されなかったグルテンは、最終的には大便として排泄されますが、すんなりと出て行ってくれません。腸でいろいろな問題を引き起こします。

小腸で吸収されなかったグルテンは、大腸へ送られ、腸内細菌のエサになります。腸内細菌はグルテンを食べて、ガス(水素、メタン二酸化炭素)を作ります。これが腹部膨満や、お腹がグルグルと鳴る原因となります。

小腸で分解されなかったグルテンは大腸を刺激し、大腸の蠕動運動が活発化します。これが下痢です。グルテン不耐症といわれる人は、グルテンを分解する能力が低いため、小麦などを食べると、腸に未分解のグルテンがたくさん溜まることになり、これを早く排出するために、下痢になります。

分解されにくいグルテンは、腸内に長い時間とどまる場合があります。そうすると、便秘になります。便秘と下痢は、相反する症状のように見えますが、大腸の蠕動運動が不規則になることで起きるもので、便秘と下痢を繰り返す人も多くいます。

腹痛にはいろいろな種類がありますが、分解されなかったグルテンが大腸壁を刺激することで、お腹が痛くなることがあります。また分解されないグルテンが長時間、腸内にとどまることになるため、下腹部に重い痛みを感じることもあります。

アレルギーの原因

小麦に含まれるたんぱく質には、アレルギー反応を起こすものがたくさんあります。アレルギー反応にも、原因物質が体内に入ってから数時間以内に起こる即時型アレルギー、しばらく時間が経ってから起きる遅延型アレルギーなど、いろいろな種類があります。

グルテンが関係しているといわれているのは、次の3つの症状です。

  • 小麦アレルギー(即時型アレルギー) ※グルテン以外のたんぱく質が原因となることも多い
  • セリアック病(遅延型アレルギー)
  • 非セリアックグルテン過敏症(遅延型アレルギーの疑いがあるといわれている)

全身への影響

グルテンが原因で炎症が小腸で起きることがあります。人間の免疫細胞の70%は小腸にあります。また、人間の栄養素の大半は、小腸で吸収されます。さらに小腸の壁には、必要な栄養分は通過できるが、異物は通過できないバリア機能があります。

この小腸で炎症反応が起きると、

  1. 免疫が正常に働かなくなる
  2. 十分な栄養吸収ができなくなる
  3. 本来吸収されない異物が体内(血管内)にはいってしまう、

といった問題が生じます。そして、その影響は全身に及ぶことになります。

具体的にどのような影響が起きるかについては、別の記事で詳しく説明しているので、ぜひご覧ください。

グルテンが入っている麦、入っていない麦

グルテン小麦に含まれるたんぱく質です。

そのため、グルテンフリーとは、小麦を抜くこと、といったイメージがあります。でも実は、大麦、ライ麦にもグルテンは含まれているのです。使われる頻度は小麦ほどではないですが、グルテンフリー生活を送るうえでは、摂取しないよう気を付けなければなりません。

このほかにも、「麦」という名前が付く食材はいろいろありますが、これにはグルテンは入っているのでしょうか。「麦芽糖」というのもありますが、こちらは大丈夫なんでしょか。

答えを表にまとめました。

グルテンが含まれるのは、小麦、大麦、ライ麦とその交雑種(例えば、小麦とライ麦が交配してできたライ小麦など)、小麦、大麦の品種、大麦の加工品などです。それでは詳しく見ていきましょう。

グルテンを含む グルテンを含まない
穀物の種類 小麦、大麦、ライ麦
これらの交雑種(例:ライ小麦)
オーツ麦、ハト麦
スペルト小麦(古代小麦)
はだか麦(大麦の一種)
もち麦(大麦の一種)
加工品 小麦ふすま(小麦の表皮)
押し麦(大麦の加工品)
米粒麦(大麦の加工品)
麦芽(大麦を発芽させたもの)
麦芽糖(マルトース)

大麦はグルテンを含む!よく使われるので注意が必要です

まずは大麦。小麦ほどではないですが、比較的身近にある食材で、いろいろなものに入っています。

なにに入っているかというと、まずは「ビール」です。ビールの原料は、大麦を発芽させたものを乾燥・焙煎した「大麦麦芽」です。

「麦芽」とだけ書いてある場合は、大麦麦芽です。小麦から作られた麦芽もありますが、これは「小麦麦芽」と書いてあります。

次によく目にするのが「麦ごはん」です。麦ごはんの「麦」は小麦ではなく、大麦です

大麦は粒が大きく固いので、お米にそのまま混ぜて炊飯すると、大麦は火のとおりが悪く、固いまま残ってしまいます。大麦をローラーでつぶすなどの加工をして、食べやすくしたものが「押麦」「米粒麦」で、もちろんグルテンが入っています

さらに「はだか麦」「もち麦」というのもありますが、これらは大麦の品種です。はだか麦は皮と実がはがれやすい品種、もち麦とはでん粉の部分がもち性の大麦の総称です。もち麦は乾麺にして売られていますね。

また麦味噌にも、大麦が使われています。

ただ麦味噌に含まれるグルテンは、醸造の過程で分解されて、製品中には残っていません。詳しいことは、以下の記事を見てください。このほか、大麦はシリアルやグラノーラに入っている場合があります

加工食品に大麦が使われているかどうかは、裏の原材料表示を一つ一つ見ていかないとわかりません。

小麦は食物アレルギーを起こす人が多いため、小麦成分が含まれている場合は、アレルゲン表示欄に「小麦」と書かなければなりません。これに対し、大麦に対して食物アレルギーを起こす人は少ないため、大麦については原材料表示欄にしか記載されません

とにかく、グルテンフリー生活をする際、大麦は盲点になりやすいので、注意しましょう。

ライ麦もグルテンを含む!パンとウイスキーの原料になる

ライ麦は日本では馴染みのない麦ですが、カナディアンウイスキーや、ライ麦パンの原料として使われます。

ウイスキーは発酵したあと蒸留しているので、ライ麦が原料であっても、製品のウイスキーにはグルテンは含まれていません。グルテンでアレルギー反応を起こすセリアック病の人が飲んでも差し支えないアルコール飲料として、明記されています。

一方のライ麦パンは、ベーカリーショップなどで時々見かける、黒っぽいパンです。ドイツ、オーストリアや東欧・北欧などでよく食べられるパン、固いパンです。

こちらはグルテンが残っていますので、食べないでください。

小麦ふすまにも小麦粉よりたくさんグルテンが含まれます

小麦ふすまとは、小麦の表皮のことです。

お米の場合、皮が付いた状態の「玄米」を精米して、皮の部分を取り除き、「精白米」を作ります。そしてお米の皮の相当するのが「ぬか」です。小麦ふすまは、小麦のぬかに相当するものです。

小麦ふすまには、グルテンは含まれないという誤った情報が載っていますが、小麦ふすまにはグルテンが入っており、その量は小麦粉より多いです。

小麦粉は小麦の胚乳の部分を粉にしたものですが、胚乳はほとんどがでん粉です。一方、表皮や表皮に近い部分や胚芽の部分には、たんぱく質が比較的多いため、小麦粉より小麦ふすまの方が、グルテンの量が多いのです。

オーツ麦(エンバク)とハトムギにはグルテンが含まれていない

オーツ麦オートミール(シリアルの一種)として、欧米ではよく食べられます。

日本ではエンバク(燕麦)と呼ばれ、シリアルやグラノーラに入っていることがあります。またハトムギ漢方薬としても使われる穀物で、雑穀米ミックスやシリアル、グラノーラに入っています。

この2つの麦には、グルテンは含まれていません

理由は特にありません。ただ含まれていないのです。小麦や大麦と系統分類上、遠い関係にあるからだ、といわれることもありますが、系統分類は全ての遺伝子を比較して決まるので、グルテンを作る遺伝子を持つ、持たないとは特に関係はありません。

余談ですが、「燕」(エンバク)と「鳩」(ハト)には、グルテンが入っていないと覚えておけば、間違わないと思います。

麦芽糖にはグルテンは入っていません

先ほど、発芽した大麦を乾燥し焙煎したのが麦芽であると説明しました。麦芽にはグルテンが含まれています。では麦芽糖はどうでしょうか。麦芽糖にはグルテンは含まれていません

麦芽糖とはマルトースとも呼ばれ、グルコースが2つつながった構造をしています。麦芽糖は糖類です。もともと麦芽から作られていたため、麦芽糖という名前がついていますが、いまはトウモロコシでんぷんから作られています

グルコースがぶどう糖といわれているのと同じ理屈です。原材料欄に麦芽糖と書いてあっても、安心して食べてください。

スペルト小麦はグルテンフリーではない

スペルト小麦にはグルテンが含まれています!

最初に結論を書いておきますが、スペルト小麦にはグルテンが含まれています。グルテンフリーでもノングルテンでも、グルテンレスでもありません。ですから、小麦アレルギー、セリアック病、ノンセリアックグルテン過敏症の方は、食べないでください。スペルト小麦は、小麦アレルギーを発症し難いと書いているサイトもありますが、即時型アレルギーに対するアレルゲン性の違いについてきちんと検証した研究成果は、見つかっていません。

小麦アレルギーについての解説は関連記事をご覧ください。

スペルト小麦とは

スペルト小麦は、現在広く利用されている普通小麦(パン小麦)の原種にあたる穀物で、7000年前から栽培されています。特に青銅器時代から中世までは、ヨーロッパで主食として用いられてきましたが、小麦の品種改良のため次第に姿を消し、ヨーロッパの一部で栽培されるだけとなっていましたが、昨今のオーガニックブームで、生産量が増加しています。日本でもネット通販で購入することができます。

現在私たちが口にしている普通小麦は、人工的に品種改良されたものですが、スペルト小麦は遺伝子操作を含め、人工的な手がほとんど加わっていないといわれています。ドイツではDinkel(ディンケル)、イタリアではFarro(ファッロ)、スイスではSpelz(スペルツ) と呼ばれています。

スペルト小麦粉スペルト小麦粉

なお少し前まで、スペルト小麦の学名は、Triticum speltaまたは Triticum speltoidesでしたが、最新の研究論文では、Triticum aestivum ssp. speltaとなっています。普通小麦の学名は、Triticum aestivum ssp. aestivumなので、現在は、普通小麦の亜種(spp. とはsub species=亜種)となっています。

スペルト小麦はグルテンフリー、ノングルテン、グルテンレスというウソ

スペルト小麦はグルテンフリー、あるいは普通小麦よりグルテンが少ないと思っておられる方がおられるかもしれませんが、それは全くの誤解です。2009年に第10回国際グルテンワークショップで発表された、普通小麦(4品種)とスペルト小麦(5品種)のたんぱく質の分析結果3) を示します。

たんぱく質の種類 粉に含まれる各たんぱく質の重量%
普通小麦 スペルト小麦
グルテン グリアジン 4.87~6.21 6.75~9.87
グルテニン 2.5~3.5 1.9~2.5
7.4~9.7 8.6~12.4
アルブミン+グロブリン 0.78~0.90 0.77~1.13

スペルト小麦が、普通小麦よりグルテンの量が少ないというのは、全くのウソです。また小麦にはグリアジンとグルテニンがほぼ同量含まれていると言われてきましたが、この報告ではグリアジンの方が多く、普通小麦ではグリアジン:グルテニン=2:1、スペルト小麦ではグリアジン:グルテニン=3.5:1という結果になっています。

もう一つ、2018年にベルギーの農業研究所の研究者が書いた論文の内容を紹介しましょう4)。195の普通小麦品種と240のスペルト品種について、グルテンの含有量(厳密には、セリアック病のモロクロナール抗体への反応性)を調べています。

結論は、普通小麦とスペルト小麦で、グルテン含有量には差はなかったばかりか、最も多くグルテンを含んでいた品種は、スペルト小麦のひとつであったこともわかりました

スペルト小麦のたんぱく質を研究する理由

日本ではあまり聞きませんが、ヨーロッパではスペルト小麦のたんぱく質の研究が行われています。なぜだと思いますか。もちろん、小麦アレルギー、セリアック病の原因となるたんぱく質を調べる、という側面もありますが、スペルト小麦と普通小麦を正しく判別することが目的です。冒頭で述べたように、昨今のオーガニックブームで、人の手が加わっていない(遺伝的に改良されていない)スペルト小麦に注目が集まり、需要が増えています。スペルト小麦として流通している粉や、スペルト小麦から作った製品として販売されているものの中に、価格が安い普通小麦が使われていたとしても、それを確かめる方法がありませんでした。新しい方法が考案され、グルテンのたんぱく質を細かく分析できるようになり、普通小麦には入っていて、スペルト小麦には入っていないグリアジンの一種が見つかりました。

グルテンを取り出してみた

小麦粉に水を加えてこねることで出来るグルテン

グルテンは粘り気があるため、パンが膨らむのを助ける一方で、小腸で消化・吸収が悪く、からだにさまざまな影響を与えます。でも小麦粉はさらさらで、粘り気なんてありませんよね。どういうことでしょうか。

小麦にはたくさんの種類のたんぱく質が含まれます。水に溶けるもの、溶けないもの、いろいろありますが、含まれている量が比較的多いものに、グリアジンとグルテニンがあります。いずれも水には溶けません。

グリアジンはアミノ酸が鎖状につながったたんぱく質で、伸びやすく、粘着力が強いという性質があります。一方のグルテニンは複数のアミノ酸の鎖がつながった網状のたんぱく質で、弾力性はあるものの伸びにくいという性質があります。この2つのたんぱく質に水を加えて混ぜると、伸びやすく、弾力性と粘着性があるグルテンができあがります。

実際にグルテンを作ってみた

強力粉からパン生地を作るときは、強力粉100gに対して、水を60~70g加えてこねることで、強力粉に含まれるグリアジンとグルテニンが絡み合って、グルテンが出来上がります。今回は、強力粉、スペルト小麦粉、薄力粉の3種類の小麦粉を使って、実際にグルテンを作ってみました。

原料

  • 強力粉(日清製粉カメリア)
  • スペルト小麦粉(鎌倉てとら合同会社)
  • 薄力粉(日清製粉フラワー)

方法

①小麦粉100gに、30℃のぬるま湯70mlを加え、手で10分間こねる。

②こねたものを、30℃のぬるま湯で、白濁液が出なくなるまで、手でこねながら洗う。

③得られたものの重量を測る(これを湿重量といいます)。

強力粉

スペルト小麦粉

 

④110℃で乾燥し、90分ごとに重量を測定。重量の減少がなくなったときの重量を測る(これを乾重量といいます)。

結果

110℃で16.5時間乾燥した結果、

  • 強力粉100gに含まれるグルテンは13.5g
  • スペルト小麦粉100gに含まれるグルテンは14.0g
  • 薄力粉100gに含まれるグルテンは8.0g

という結果でした。

スペルト小麦にも大量のグルテンが…

驚いたのは、スペルト小麦にふつうの小麦を上回る量のグルテンが含まれていたことです。スペルト小麦はグルテンが少ないとか、グルテンレスとかネット上の記事にありますが、全くのウソです。上の動画にあるように、確かにゴム状の物質が得られ、その粘り具合は、強力粉とほとんど変わりませんでした。

なおネット上に、湿った状態のグルテンの重さを比較してあるのを見かけましたが、あまり意味がありません。こね方や粉の性質によって、水の含みやすさが異なるからです。

グルテンは購入することができます

今回は小麦粉からグルテンを取り出しましたが、グルテンは食品添加物として普通に使われるため、スーパーなどで購入することができます。もっともよく使われる用途は、米粉パンの添加物です。米粉パンって米粉でできているじゃないのか?と思われるかもしれませんが、米粉だけではパンがうまく膨らまないので、通常、米粉とグルテンを8:2の比で混ぜた粉を使います。米粉パンについては、関連記事も参考にしてください。

後で手に発疹(紅斑)ができました

小麦粉をこねるとき、手袋をはめずに、素手でやりました。作業が終わってから2時間後に自分の手を見ると、紅斑ができていることに気づきました。グルテンとの因果関係はわかりませんが、いままでこんな場所に、紅斑ができたことなかったので、ちょっと気持ち悪いです。

紅斑は、何らかの物質が皮膚に接触し、それが原因で即時型アレルギー反応が起きることで現れます。幸いに軽かったので、かゆみも腫れもありませんでした。指の外側だったので、作業をした後、きれいに洗い流せていなかったのではないかと推測します。


参考文献
1) 森永製菓ホームページに掲載されているデータから計算
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=15&category=health
2) Jonas F Ludvigsson et.al., The Oslo definitions for coeliac disease and related terms, Gut 62 (1) 43-52 (2011)
3) Koenig et al., Distinguishing wheat and spelt using typical protein markers, Proceedings of the 10th international gluten workshop 142-145 (2009)
4) E. Escarnot, et.al., Reactivity of gluten proteins from spelt and bread wheat accessions towards A1 and G12 antibodies in the framework of celiac disease, Food Chemistry 268, 522-532 (2018)

グルテンフリー食品まとめ

小麦粉を置き換えるには、グルテンの役割をカバーするための知識や技術が必要です。メーカーさんの工夫によって製造されている、おすすめのグルテンフリー食材をカテゴリー別にご紹介!