受験生を持つお母さん、グルテンフリーでお子さんを応援してください

集中力を必要とするプロのアスリートの多くが、シーズン中はグルテンフリー生活をしていることをご存じでしょうか。ベストパフォーマンスを発揮するためには、小麦などに含まれるグルテンが障害になることが口コミで広がり、プロアスリートの4割がグルテンフリーをしているそうです。同じことが短期決戦の受験生にも当てはまります。グルテンフリーでお子さんがベストコンディションで受験に臨めるよう、応援してあげてください。

プロアスリートがグルテンフリーにする理由

プロのアスリートは最高のパフォーマンスを発揮するために、ふだんから食事には気を配っています。そんなプロアスリートの41%が、グルテンフリーの食事を摂り入れていることをご存じでしょうか1)。グルテンフリーというのは、もともとグルテンが原因で起きる自己免疫疾患であるセリアック病の人のための治療食です。セリアック病はグルテンを摂ることで小腸の粘膜が破壊されるため、生涯にわたってグルテンを含まない食事を摂り続ける以外に、治療法がありません。

オーストラリアの研究者が、オリンピックのメダリストを含む910人のセリアック病でないアスリートを対象に行った調査では、なんと41%の人が食事の半分以上をグルテンフリー食にしていると回答しました。これは完全にグルテンフリーにしている人から、食事の半分程度をグルテンフリーにしている人まで合わせると、41%いたということです。
雑誌の記事などによると、欧米のプロスポーツの世界では、シーズン中はグルテンフリー食にするというのが一般的なんだそうです。ちなみに大リーグで活躍している大谷翔平選手もその一人です。

アスリートがグルテンフリーにする理由は、大きく分けて2つあります。一つは激しい運動によって起きる胃腸の機能障害である運動誘発性胃腸症候群の発症を抑えるため、もう一つは腹部膨満感、下痢、原因不明の痛み、倦怠感、頭痛、関節や筋肉の痛みなどの慢性的な症状を抑えるためです。

運動誘発性胃腸症候群というのは、激しい運動によって内臓を流れる血液量が少なくなることで、腹部膨満、逆流、げっぷ、吐き気、腹痛、胸焼け、下痢などが起きるものです。アスリートの30~50%がこの症状を経験しているそうです。そして症状が重くなるとバリア機能が損なわれた腸から細菌が入り、全身で炎症反応が起きるという恐ろしい病気です。グルテンフリーにすることで、この症状を回避できるため、グルテンフリーにするアスリートが多いといわれています。詳しい内容はこちらの記事で紹介しています。

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もう一つの慢性的な症状というのは、いずれもグルテンが原因で起こる不快な症状として一般的によく知られているものです。そしてさきほどのオーストラリアの研究では、グルテンフリーにしていると回答したアスリートの84%がグルテンフリーにすることで、腹部膨満感、下痢、原因不明の痛み、倦怠感、頭痛、関節や筋肉の痛みなどが解消されたと回答しています。

受験はスポーツの試合と似た環境

受験とスポーツの試合は環境が似ています。まずどちらも限られた時間内で最高のパフォーマンスを発揮しなければなりません。またその時間中は、常に持てる力を出し続けなければならないという点も同じです。さらにスポーツでは筋肉に流れる血液量が増えるために、内臓を流れる血液量が相対的に少なくなりますが、受験では、脳に流れる血液量が増えることで、内臓の血流が減というのも、同じです。

受験で緊張して、吐き気を感じたり、腹痛、胸焼け、下痢が起こることがよくあります。これはストレスの影響もあるでしょうが、内臓低灌流も関係していると考えられます。

日本の受験シーズンというのは、1年で一番寒い時期に当たります。ただでさえ、コンディションが悪いので、からだにかかる負荷を少しでも減らすべきだと思います。

寒い時期に頑張るお子さんを応援してあげてください

受験でこれから先の人生が決まるわけではありませんが、受験は人生の中での大事なイベントであることは間違いありません。長い時間をかけて準備してきたのですから、ベストコンディションで臨みたいものです。
多くのプロアスリートが取り入れて、効果があるといっているのなら、受験生にも効果があるのではないでしょうか。

プロスポーツや受験で、グルテンフリーが効果があるかどうかについては、実験で証明することができません。グルテンフリーにしたグループとグルテンフリーにしなかったグループで、成績を比較すれば、効果の有無を調べることになりますが、それが物理的にできないことはお分かりいただけると思います。

プロスポーツの場合は、グルテンフリーの食生活を取り入れるようになってから、体調がよくなったとか、成績が上がったという話はたくさんあるようです。それが口コミで伝わり、他の選手やトレーナーの勧めで、グルテンフリーを取り入れる人が増えていったようです。まずはやってみることです。

やるにあたって、注意してほしいことが何点かあります。まず受験生本人がストレスに感じることは、絶対にやめてください。もし小麦を使った食べものが食べたいというのなら、それを止めないでください。ただでさえ楽しみが少ない状況で、当人にとっては、その食べ物を食べることが唯一の楽しみかもしれません。それを奪ってまでやるほどのメリットはありません。
次に小麦を食べないほうがよい理由やグルテンフリーのメリットを長々と説明するのはやめましょう。心に余裕がないときに、そんな話はをしたところで、頭に入ってきません。

グルテンフリーをするときは、てきるだけ気づかれないようにやってください。パン食の回数を少し減らす、和食のおかずを増やす、ラーメンやうどんをグルテンフリーめんに替える、すき焼きに麩を入れない、小麦粉を使ったスナック菓子をポテトチップスとかお米を使ったせんべいに替えるなど、できることはいくらでもあります。グルテンを摂る量が半分になっただけでも、胃腸への負担はかなり減るはずです。

そしてグルテンフリーは、少なくとも受験の1か月以上前から始めてください。もしグルテンが原因で倦怠感や頭痛が起きていた場合、それが完全に消えるまで、最長1年かかるといわれていますが、腹部膨満や慢性的な下痢などの胃腸症状は、1か月あれば解消します。

日本の受験シーズンは、1年で一番寒い時期です。筆者も経験しましたが、この時期は交通機関の乱れとか、インフルエンザの流行とか、余計なことにまで気を使わなければなりません。なぜもっと気候のよい時期にできないものかと思います。


参考文献

1) Lis DM, Stellingwerff T, Shing CM, Ahuja KD, Fell JW. Exploring the popularity, experiences, and beliefs surrounding gluten-free diets in nonceliac athletes. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2015;25(1):37-45. doi:10.1123/ijsnem.2013-0247

グルテンフリー食品まとめ

小麦粉を置き換えるには、グルテンの役割をカバーするための知識や技術が必要です。メーカーさんの工夫によって製造されている、おすすめのグルテンフリー食材をカテゴリー別にご紹介!