アスリートは最高のパフォーマンスを発揮するために、ふだんから食事に気を配っています。そんなアスリートの41%が、グルテンフリーの食事を取り入れていることをご存じでしょうか。運動誘発性胃腸症候群を防ぐなど、アスリートがグルテンフリーを取り入れる理由と、アスリートの食事法の最新動向を、最新の医学論文に基づいて解説します。
海外のアスリートはグルテンフリーがあたりまえ
グルテンフリー食(GFD: Gluten-free Diet)はもともと、セリアック病の患者さんのための治療食でした。
セリアック病は小麦などに含まれるグルテンというたんぱく質が原因で起きる、自己免疫疾患です。セリアック病に患者さんはグルテンを有害なものとみなして、グルテンが存在する自分の小腸の細胞を攻撃し、破壊してしまいます。その結果、下痢や脂肪便のほか、栄養吸収が不十分となることによる倦怠感、筋力低下、体重減少や、強いかゆみを伴う皮膚炎が起きます。
治療法はただひとつ、グルテンを含む食品を摂らないことです。
グルテンフリーというのは、食品中に含まれるグルテンの濃度が 20 ppm 以下(アメリカの場合は 20 ppm 未満)という意味ですが、これはセリアック病の患者さんが食べられるものを選ぶ際の指標です。アメリカでは人口の 1 % のセリアック病患者さんがいるので 1)、ふつうの食品スーパーでグルテンフリーの食品を手に入れることができます。
またアメリカでは、セリアック病でない人にも、グルテンフリー食品の人気は高く、2015 年には何と人口の 25 % の人が、グルテンフリーの食品を消費したそうです 1)。
一方、グルテンフリー食はプロアスリートの間でひじょうに人気が高く、オリンピックメダリストを含む 910 人の、セリアック病でないアスリートを対象に行った調査では、41 % が食事の半分以上をグルテンフリー食にしていると回答しました 2)。半分以上というのは、グルテンフリーの食品だけを食べている人から、食事の半分程度をグルテンフリー食にしている人まで合わせると、41 % いたということです。
雑誌の記事などによると、プロスポーツの世界では、シーズン中はグルテンフリー食にするというのが、一般的なんだそうです。
サッカー選手などに多い運動誘発性胃腸症候群
ところでプロアスリートは、運動誘発性胃腸症候群(Exercise-induced gastrointestinal syndrome)になる可能性が高いといわれています 3)。特にマラソン、トライアスロン、自転車競技、サッカーのように、長時間にわたり激しい運動をするアスリートは、その確率が高くなります。
運動誘発性胃腸症候群は激しい運動によって起きる胃腸の機能障害で、胃内容物の排出障害、小腸通過の遅延、吸収不良から始まり、小腸の損傷に伴うバリア機能の喪失から内毒素血症へと症状が重くなっていきます。そしてこの症状は、運動と熱のストレスでどんどん悪化していきます。よく見られる症状としては、腹部膨満、逆流、げっぷ、吐き気、腹痛、胸焼け、下痢などです。
アスリートの 30〜50 % がこの症状を経験しており、161 km ウルトラマラソンのような超耐久スポーツイベントでは、最大 90 % のアスリートがこの症状を経験しているそうです 3)。
運動誘発性胃腸症候群はどのようなメカニズムで起きるのでしょうか。
運動中は末梢および収縮筋に血液がより多く流れるため、内臓を流れる血液量が少なくなります。これを内臓低灌流といいます。その結果、先に示したような症状が現れます。さらにひどくなると小腸の上皮細胞の透過性が一時的に増加し、バリア機能が損なわれてしまいます。
食べものに含まれる栄養分のほとんどは小腸から吸収されますが、なんでもかんでも吸収しているわけではなく、からだにとって有害なものは吸収しないよう、バリア機能を持っています。そのため例えば病原性を持つ細菌が口から入っても、からだの中には吸収されず、肛門から体外へ排泄されます。ところがこのバリア機能が損なわれると、細菌が体内に入っていまい、局所的または全身で炎症反応が起きます。
この状況を内毒素ショックまたはエンドトキシンショック(endotoxic shock)といいます。体内に侵入したグラム陰性菌が死滅したり破壊されたりすると、グラム陰性菌の外膜に存在しているエンドトキシン(内毒素)という物質によって、臓器不全が起こります。
このように運動誘発性胃腸症候群は、軽症のうちは腹痛、吐き気や腹部膨満で済みますが、症状が重くなると、臓器不全になることもある恐ろしい病気です。
多くのアスリートは、この症状を回避するために、グルテンフリー食が有効であると、考えています。
アスリートがパフォーマンス向上のために実践する食事改善法 5つ
プロアスリートの食事法は、グルテンフリーだけではありません。人気のある 5 つの食事法を比較した研究があるので、概要を紹介しましょう 6)。5つの食事法とは次の通りです。
- ベジタリアン
- 高脂肪食
- 断続的な断食
- グルテンフリー食
- 低FODMAPダイエット
この論文では 1983 年から 2021 年 1 月に発表された科学的研究をレビューし、これらの食事がアスリートの持久力パフォーマンスと健康面に与える影響を調査しています。
ベジタリアン
ベジタリアンとは、肉、魚など、動物由来のものを摂らないいわゆる菜食主義の人のことです。
世界中で約 40 億人がベジタリアンで、アスリートの 10 % がベジタリアンと推定されています。ベジタリアンの中には、卵、乳製品を含めて、動物性食品は一切摂らないという完全菜食主義者から、魚は許容する人、乳製品は許容する人、卵は許容する人などさまざまです。
ビーガンと呼ばれる完全菜食主義では、動物性食品に加え、はちみつも食べず、カイコから作られたシルク、羊毛から作られたウールなどの動物性の素材も身に付けません。
オーストリア、ドイツ、スイスに住む超持久力のランナーを対象に調査したところ、菜食主義者は 18.4 %、完全菜食主義者は 37.1 %だったそうです。意外と多くのアスリートがベジタリアンであることに驚きます。
ベジタリアン食がアスリートに与える影響について、さまざまな研究結果が出ています。まず、ベジタリアン食が運動能力とパフォーマンスの向上につながるとして挙げられているのは、次のような点です。
メリット1 酸化ストレスの状態になりにくい
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の数%は通常の状態よりも活性化された活性酸素になります。われわれのからだには抗酸化防御機構が備わっているため、通常は活性酸素が増えすぎることはありませんが、激しい運動をすると活性酸素の産生が過剰になり、抗酸化防御機構のバランスが崩れた「酸化ストレス」の状態になります。
ベジタリアンのアスリートは、雑食のアスリートと比べて、酸化ストレスの状態になりにくいことがわかっています。植物に含まれるポリフェノールの抗酸化作用があり、活性酸素を無害化しますが、ベジタリアンはポリフェノールを多く摂っているためではないかといわれています。
メリット2 疲労や炎症が抑えられている
インターロイキン6(IL-6)は、さまざまな生理作用を有するサイトカインと呼ばれるたんぱく質の一つで、炎症反応の調節や免疫応答に関わっています。疲労や骨格筋の炎症が起きると IL-6 の血中濃度が上がりますが、ベジタリアンのアスリートは雑食のアスリートに比べて、この数値が低いことがわかっています。これはベジタリアンは食事中の炭水化物の摂取量が多いため、筋肉のグリコーゲンの貯蔵が増加し、IL-6 の発生が少なくなっているのではないかといわれています。
メリット3 心血管機能の改善
ベジタリアンは血液中の脂質濃度、運動誘発性の酸化ストレス、炎症および血圧を低下させ、血管内皮機能および動脈の柔軟性を改善することにより、よりよい心血管機能を提供できるといわれています。
一方でベジタリアン食にもデメリットが指摘されています。
デメリット
すぐに予測できることですが、特定の栄養素が不足する可能性があります。具体的には ω-3 脂肪酸、鉄、亜鉛、ヨウ素、カルシウム、ビタミン D、ビタミン Bと特定のアミノ酸です。ただこれについては、適切な栄養管理を行うことで回避できます。
この論文では、さまざまな研究結果を検証した結果、ベジタリアン食がアスリートにとって効果的な食事であるという証拠はないと、結論付けています。
高脂肪食
高脂肪食はてんかんなどの治療食やダイエット法として普及していますが、持久力を必要とするアスリートがこの食事法を取り入れています。
通常われわれは、糖質(炭水化物)をエネルギー源として利用していますが、糖質が利用できなくなるとからだの中に蓄えられた脂肪を利用するようになります。脂肪が利用されるようになると、その中間代謝産物であるケトン体が血液中で検出されるようになります。健康診断でケトン体が検出れると糖尿病を疑われますが、あとで説明するケトジェニックダイエットでは、ケトン体が検出されるよう、糖質制限を行います。
高脂肪食には大きく分けて 2 つのタイプがあります。
ケトン体生成低糖質高脂肪食(ケトジェニックダイエット)
血中ケトン体レベルを 0.5~3.0 mmol / L に増加させるように、脂肪の摂取量を増やしつつ、糖質制限を行います。
非ケトン体生成高脂肪食(非ケトジェニックダイエット)
こちらは脂肪からのエネルギー生産を目指したものではなく、食事に含まれる脂肪の割合を増やすだけです。
メリット
アスリートが高脂肪食を摂るメリットとして、次のようなものがあげられています。
- 疲労になるまでの時間を延ばす
- 筋グリコーゲン貯蔵を温存することができる
- 認知能力を増加させる
- 運動に関連する免疫およびホルモン応答を調節する
- 細胞の遺伝子発現の増加
- オーバーリーチ症候群(overreaching syndrome)※の改善
※スポーツのトレーニングは、過負荷と回復の繰り返しですが、オーバーリーチ症候群は、十分な回復ができずパフォーマンスが低下した状態が数日から数週間続く状態のことをいいます 7)。
高脂肪食を摂ることで、脂肪酸をエネルギー源として使う身体能力を獲得することができます。長時間の運動において脂肪酸の利用は極めて重要で、グルコース(糖質)やグリコーゲン(糖質)の消費を節約し、疲労になるまでの時間を長くする効果があります。
筋グリコーゲン貯蔵の温存効果とは次のようなメカニズムによるものです。
筋肉ではグルコースがエネルギー源として使われますが、グルコースが枯渇すると、低~中程度の運動では脂肪酸が使われ、中~高程度の運動ではグリコーゲンが使われます。脂肪酸をエネルギー源として使う身体能力を獲得すると、中~高程度の運動でも脂肪酸が使えるようになり、グリコ―ゲンを温存できるそうです。
このように高脂肪食を摂ることで、運動中の体内での脂肪酸の利用率を向上させることができます。ただこの方法は、短時間の運動やインターバルスプリントを伴う長時間の運動など、グルコースを必要とする運動には向いていないといわれています。
高脂肪食には健康上のデメリットが考えられます。結論としては、高脂肪食がすべてのアスリートにとって効果があるかどうか、現時点ではわからないとしています。
断続的な断食
メリット
持久力アスリートにおける断続的断食のメリットととして、次のようなものがあげられています。
- 代謝、ホルモンおよび炎症反応を調節する
- エネルギー源を糖質から脂肪へ切り替える
- ミトコンドリアの生合成を引き起こし、筋肉量を維持する
ただ、これらのメカニズムには、不明点が多くあります。
デメリット
一方で、持続的断食を行うデメリットとしては、
- 疲労感の増大
- 脱水
- 睡眠/覚醒リズムの乱れ
によるパフォーマンス低下が指摘されています。
結論としては、持続的断食の効果は不明とのことです。
グルテンフリー食
プロアスリートがグルテンフリー食を取り入れている科学的根拠はなんでしょうか。
実はハッキリしていません。根拠のない商業的な健康強調表示と、グルテンフリー食が成功の秘訣であると述べている著名なアスリート(たぶん、ノバク・ジョコビッチ選手だと思います)が理由だと書いている論文もあります 1)。
ですがプロアスリートは経験的に、あるいはコーチや仲間からの勧めで、グルテンフリー食を取り入れているようです。
そして彼らの 84 % がグルテンを除去することで、不快な症状が改善されたといっています 2)。不快な症状とは、腹部膨満感、下痢、原因不明の痛み、倦怠感、頭痛、関節や筋肉の痛みなどです。
最近、グルテンフリー食でこれらの不快な症状が解消されたのは、グルテンを摂らなかったのが理由ではなく、摂取した FODMAP の量が減ったことが理由ではないか、と主張する研究者が現れました 2)。
FODMAPとは、発酵性のオリゴ糖、二糖、単糖とポリオールの総称で、小腸で吸収されず腸内細菌のエサになる炭水化物のことです。
グルテンを含む食品の多くは、FODMAP も多く含んでいます。そのためグルテンフリー食にしたことで、FODMAP の摂取量も減って、症状が改善されたと主張しています。さらにグルテンフリー食にすると、食品の選択に対する意識が高まり、果物、野菜やグルテンを含まない全粒穀物の摂取が促進される可能性があります。そして結果的に、スポーツ栄養の推奨事項と一致した健康的な食事になったと考えられます 1)。
低FODMAPダイエット
持久力アスリートは消化器症状を軽減し、パフォーマンスを向上させる目的で、低FODMAPダイエットをします。これはグルテンフリー食を摂る理由と全く同じです。
持久力アスリートは運動誘発性胃腸症候群を示す可能性が高いことがわかっています。また持久力アスリートの約 22 %が過敏性腸症候群(IBS)という病気であるというデータもあります。
過敏性腸症候群(IBS)とは、通常の検査では腸に炎症・潰瘍・内分泌異常などが認められないにも関わらず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、下痢や便秘などの便通の異常を感じる病気で、腸の内臓神経が何らかの原因で過敏になっていることで、引き起こされるといわれています 8)。
ここで紹介したのは日本の厚生労働省の見解ですが、海外では過敏性腸症候群(IBS)の原因の一部は、 FODMAP という炭水化物の一種だと考えられています。
FODMAP とは、発酵性のオリゴ糖、二糖、単糖とポリオールの総称で、小腸で吸収されず腸内細菌のエサになる炭水化物のことです。
具体的にはフルクトース、ラクトース、水溶性食物繊維と、プレバイオティクスと呼ばれるイヌリンやオリゴフルクトースなどの物質です。過敏性腸症候群(IBS)の患者さんには、食事あたり 0.5 g 未満、または 1 日あたり 3 g 未満の FODMAP を摂取することが推奨されています。
運動誘発性胃腸症候群で見られる症状と、過敏性腸症候群(IBS)で見られる症状が重複していることもあり、アスリートのための食事として、低 FODMAP ダイエットが適しているという意見があります。運動誘発性胃腸症候群の持久力アスリートは、臨床研究で FODMAP が高いと分類された食事よりも、さらに 2 倍多い(1 日最大 43 g の)FODMAP を消費しているというデータもあります。
低 FODMAP ダイエットのメリットは、消化器症状の軽減と、それに伴う腸透過性の障害の回避です。一方で低FODMAPダイエットはプレバイオティクスの消費を減らす可能性があり、健康な腸内細菌叢の維持に影響が出る可能性があります。
また FODMAP を多く含む食品にはさまざまなものがあるため、すべてを抜くということは現実的ではありません。消化器症状を引き起こす原因物質を特定し、食事をパーソナライズ化する必要があるため、訓練を受けた栄養士や専門家のサポートが必要です。
結局アスリートの食事は栄養面のサポートも大切
この論文の結論としては、5 つの食事療法はいずれも、持久力アスリートにとってメリットとデメリットがあると結論づけています。
ベジタリアン食の場合は、アスリートの食事の内容について調査し、不足する可能性がある栄養素と微量栄養素を補う必要があります。
高脂肪食については、持久力パフォーマンスに対して有効であるといえる科学的証拠はないと結論付けています。
断続的断食についても、持久力パフォーマンスに対する有効性について、更なる検討が必要としています。
またグルテンフリーダイエット(GFD)はメリットはあるものの、その理由はFODMAPの摂取量が減ったことにである可能性があり、低FODMAPダイエットはその手順が複雑で、訓練を受けた栄養士による注意深い監視が必要であるとしています。
まとめ
- 小麦などに含まれるたんぱく質であるグルテンを食べないグルテンフリー食は、プロアスリートの間で人気が高く、健康上の理由でグルテンを抜かなければならない人を除き、41 % のアスリートが、食事の半分以上をグルテンフリー食にしているという結果が出ている。
- 運動誘発性胃腸症候群は、長時間にわたり激しい運動をするアスリートによくみられる症状で、腹部膨満、げっぷ、吐き気、腹痛、下痢などから、内毒素性ショックに至る可能性がある。多くのアスリートは、この症状を回避するために、グルテンフリー食が有効であると考えている。
- プロアスリートに人気のある、ベジタリアン、高脂肪食、断続的な断食、グルテンフリー、低 FODMAP ダイエットという 5 つの食事法を比較した論文によると、いずれもメリットとデメリットがあると結論づけている。
- アスリートがグルテンフリー食を取り入れている科学的根拠ははっきりしていない。グルテンフリー食で消化器症状が改善されたのは、摂取した FODMAP の量が減ったことによるという意見もある。
参考文献
1) Rok Seon Choung et.al., Less hidden celiac disease but increased gluten avoidance without a diagnosis in the USA: Findings from the National Health and Nutrition Examination Surveys from 2009 to 2014, Mayo Clin Proc. S0025-6196 (16) 30634-30636 (2016)
2) Dana M Lis et.al., Exploring the popularity, experiences, and beliefs surrounding gluten-free diets in nonceliac athletes, Int J Sport Nutr Exerc Metab, 25 (1) 37-45 (2015)
3) Costa RJS, et.al., Systematic review: exercise-induced gastrointestinal syndrome-implications for health and intestinal disease, Aliment Pharmacol Ther, 46 (3) 246–265 (2017)
4) Kristin Jean Stuempfle et. al., Gastrointestinal distress is common during a 161-km ultramarathon,
J Sports Sci, 33 (17) 1814-1821 (2015)
5) Lis, D.M., Exit Gluten-Free and Enter Low FODMAPs: A Novel Dietary Strategy to Reduce Gastrointestinal Symptoms in Athletes, Sports Med, 49, 87–97 (2019)
6) Devrim-Lanpir A et.al., Efficacy of Popular Diets Applied by Endurance Athletes on Sports Performance: Beneficial or Detrimental? A Narrative Review, Nutrients, 13 (2) 491 (2021)
7) Karen M. Myrick, Overtraining and Overreaching Syndrome in Athletes, The Journal for Nurse Practitioners, 11 (10) 1018-1022 (2015)
8) 厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-079.html