麦茶の原料は大麦
麦茶は六条大麦(小粒大麦)、二条大麦(大粒大麦)、はだか麦(大麦の一種)が原料で、これらを200~280℃で麦の中心部まで火が通るように2~3回煎り上げて(焙煎して)作ります。麦茶の香ばしい香りは、デンプン、糖質、たんぱく質の加熱によってできたもので、また麦茶の色は、これら成分の熱分解でできたものです。大麦には小麦と比べると少量ですがグルテンが含まれています。
麦茶には微量のグルテンが含まれる
麦茶は、水1Lに焙煎した大麦約25gを加えて煮出して作ります。大麦には100gあたり7~13gのたんぱく質が含まれており、このたんぱく質が全量麦茶の中に残ったとしても、その量は1Lあたり2~4gで、100g(100ml)あたりでは、0.2~0.4gとわずかです。麦茶の栄養成分表示では、たんぱく質は100g中0gとなっていますが、0.5g以下の場合、0gと表示してよいことになっています。麦茶では茶葉の部分は飲まないこと、またもともと大麦に含まれているグルテンは小麦に比べると少ないので、非セリアックグルテン過敏症あるいはグルテンフリーを実践している方は問題なく飲めると思います。また小麦アレルギーの方についても、除去が必要なことはまれであるとの報告がありますが1)、アレルギー症状は人によって異なるので、念のため医師に相談されることをお勧めします。セリアック病については、麦茶に含まれるグルテン量を調べたデータがないので、何とも言えません。
参考資料
1) 食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017、厚生労働科学研究班(2017)