のど飴
のど飴には、医薬品、医薬部外品、食品の3種類があります
3種類ののど飴の違いをまとめてみました。
医薬品 | 医薬部外品 | 食品 | ||
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どこで買える | コンビニ・スーパー | 買えない | 買える | 買える |
ドラッグストア・薬局 | 買える | 買える | 買える | |
有効成分と効果・効能を表示してよいか | よい | よい | できない | |
摂取量に制限があるか | ある | ある | ない | |
製造する際に許可が必要か | 国の許可が必要 | 国の許可が必要 | 制限なし | |
アレルギー物質の表示 | 不要 | 不要 | 必要 |
医薬品、試薬部外品ののど飴は、お菓子ではなくお薬です。一日に摂取してよい量、摂取する際の間隔、摂取してよい年齢などが決められています。また食品ではないので、アレルギー物質の表示もありません。購入する際は、よく確認することをお勧めします。
食品であるのど飴はどれだけ食べても安全というわけではない
食品として売られているのど飴は、どれだけ食べても安全かというと、必ずしもそうとは限りません。食物アレルギーをお持ちの方や、グルテン、FODMAPに弱い体質の方は、注意する必要があります。
①FODMAP成分が大量に含まれる商品がある
ノンシュガー、低カロリーと表示してあるのど飴には、甘味成分として砂糖(スクロース)や水飴(マルトース、グルコース)の代わりに、消化・吸収しない物質が含まれています。これらの多くはFODMAPに分類されるものです。のど飴に含まれるFODMAP量を計算したところ※、最も多い商品では100gあたり45g含まれていました。たった一粒食べただけで、約2gのFODMAPを摂取することになります。FODMAPで、腹痛、腹部膨満、下痢を起こす人は、要注意です。
商品名 (メーカー) |
栄養成分量 (100gあたり) |
原材料 下線がFODMAP成分 |
原材料名(食品添加物) 下線がFODMAP成分 |
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ノンシュガー果実のど飴(カンロ) 袋入り |
エネルギー 216kcal たんぱく質 0.0g 脂質 0.0g 炭水化物 99.1g 食塩相当量 0.1g FODMAP量 45.0g |
還元水飴(国内製造)、濃縮果汁(もも、みかん、ぶどう、レモン)、果実エキス、ハーブエキス | 酸味料、ビタミンC、香料、ソルビトール、着色料(紅花黄、野菜色素、カロチノイド、クチナシ、カラメル)、乳化剤(大豆由来) |
男梅のど飴 (ノーベル製菓) スティックタイプ |
エネルギー 205kcal たんぱく質 0.1g 脂質 0.3g 炭水化物 90.9g 食塩相当量 6.2g FODMAP量 40.4g |
還元パラチノース(ドイツ製造)、還元水飴、食塩、デキストリン、梅肉、梅酢、シソパウダー、梅エキス、ハーブエキス | 酸味料、香料、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、調味料(アミノ酸等)、着色料(アントシアニン)、増粘剤(キサンタンガム)、(一部に大豆を含む) |
VC-3000のど飴 (ノーベル製菓) スティックタイプ |
エネルギー 240kcal たんぱく質 0.1g 脂質 0.4g 炭水化物 97.2g 食品相当量 0.2g FODMAP量 38.3g |
還元パラチノース(ドイツ製造)、還元水飴、ハーブエキス、カリンエキス | ビタミンC、香料、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、ステビア)、着色料(ウコン)、ビタミンB2、ビタミンB1 |
※FODMAP量の計算方法
FODMAP量=炭水化物量-[エネルギー量-(たんぱく質量×4+脂質量×9)]÷4
②同じ名前の商品でもパッケージによって成分が異なる場合がある
ロッテのはちみつカリンのど飴は、比較的よく目にする商品です。袋に入った個包装の商品と、スティックタイプの商品では、成分が異なることをご存じでしょうか。2021年2月16日現在、ロットのウェブサイトに掲載されている情報を転記しました。
商品名 (メーカー) |
栄養成分量 (1商品あたり) |
原材料 | 原材料名 (食品添加物) |
アレルゲン 28品目 |
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はちみつカリンのど飴<たっぷりマヌカハニー> ミニパック |
エネルギー 102kcal たんぱく質 0g 脂質 0g 炭水化物 25.3g 食塩相当量 0g |
砂糖、水あめ、はちみつ(ニュージーランド産マヌカはちみつ100%)、濃縮カリン果汁、ハーブエキス、カリンエキス、植物油脂 | 着色料(紅花黄、カラメル)、香料 | 不使用 |
はちみつカリンのど飴 スティックタイプ |
エネルギー 231kcal たんぱく質 0g 脂質 0g 炭水化物 57.9g 食塩相当量 0.07g |
砂糖、水あめ、濃縮カリン果汁、はちみつ(マヌカはちみつ100%)、濃縮りんご果汁、ハーブエキス、カリンエキス | 酸味料、香料、着色料(紅花黄、カラメル) | りんご |
たしかに、商品名は異なるので別商品なのでしょうが、消費者に誤解を与える可能性があります。特にアレルギー物質が含まれる、含まれないは重要です。
③グルテンが含まれていることに気づきにくい商品がある
ロッテの「カリンのど飴」は、どこでも手に入る商品です。原材料表示を見ると、モルトエキスが使われています。モルトエキスとは、大麦麦芽のエキス(濃縮したもの)なので、大麦由来のグルテンが含まれている可能性があります。原材料の最後に書いてあるので、使われている量は少ないと思われますが、含まれていることには変わりないので、注意が必要です。
小麦は特定原材料の一つなので、含まれている場合には、必ず「小麦」と表示しなければなりません。しかし、小麦と同様、グルテンを含む大麦とライ麦は、日本の制度ではアレルゲン表記はしなくてもよいので、原材料をよく見て確認するしかありません。
それにしても、モルトエキスという表示では、大麦だとすぐに気づかないように思います。
④商品を手に取って確認してくださいというメーカーもある
②と③で、ロッテの商品を例にさせていただきましたが、ロッテは自社のホームページに栄養成分表示、原材料名、含まれるアレルゲンをきちんと表示しています。あるメーカーは、ホームページには商品に関する情報を一切掲載しておらず、次のように書いています。
商品名やパッケージデザインが同じでも、サイズや内容量、製造時期や原材料等が違う場合があり、アレルギー情報が異なる可能性がございます。
ホームページ上ですべての可能性を網羅することはお客様に混乱を招くことになると判断し、お手元の商品のアレルギー情報表示をご覧いただきたく存じます。ご理解のほど、お願いいたします。
買う側の責任において、店頭で確認しろというのは、どうなんでしょうか。いまコロナ禍で、店頭で商品を手に取って確認しづらくなっています。それに、字が小さくて、読みづらいです。聞いたこともない化学物質の名前を羅列されても、その場で購入するかどうかの判断など、不可能です。お手元の商品と書いてあるので、「とりあえず買ってから、食べても大丈夫かどうか確認してください」ということでしょうか。多くのメーカーが自社のホームページで情報を公開する中で、このような姿勢はいかがなものかと思います。
グルテンフリー・低FODMAP、アレルゲンフリーという視点でのど飴を整理した
のどの調子をよくしたい、鼻詰まりやマスクの不快感から解放されたい、気分転換したい、そう思ってのど飴を舐めます。でも売場に並んでいるたくさんの商品のカロリーや原材料を確かめ、比較してから買うという人は少ないのではないでしょうか。そもそも字が小さくて、見にくいです。そこで、食品として販売されている主なのど飴について、
- グルテンフリーかどうか
- FODMAP成分を多く含んでいないか
- アレルゲンを含んでいないか
という視点で、整理しました。
もともと人間が消化・吸収できない成分を大量に使っている、高FODMAPののど飴を食べると、腹部膨満や腹痛・下痢になることがあります。健康になるために食べているのに、怖いですね。また食品添加物の塊のようなのど飴も存在します。すぐに体に影響が出ることはありませんが、長期的な影響についてはよくわからない点もあります。どうしても必要な場合を除き、食品添加物は摂らないほうがよいと思います。
こりリストが、みなさんがのど飴を買うときの参考になれば嬉しいです。
チョコレート
純粋なチョコレート以外は小麦成分が入っている!
チョコレート
チョコレートは、カカオの種子を発酵・焙煎して作ったカカオマスに、ココアバター、砂糖、乳成分(粉乳)などを入れて固めて作ります。ですから、純粋なチョコレートにはグルテンは入っていません。一方、多くのチョコレート菓子には、小麦が使われていますので、注意が必要です。例えば、明治・たけのこの里、ブルボン・アルフォートにはビスケット、明治・きのこの山にはクラッカー、ネスレ・キットカットにはウエハース、ロッテ・CRUNKYには小麦パフが使われていますが、いずれもガッツリ小麦粉が含まれています。チョコレートよりもビスケットの分量の方が多いものもありますので、グルテンを摂りたくない方は、チョコレート菓子は避けたほうがよいでしょう。一方、ナッツやヌガーが含まれているものもありますが、こちらは大丈夫です。チョコレート以外の成分が入っていそうな場合は、原材料表示を確認することが大事です。
チョコレート断面
チョコレートは健康によい?
最近、チョコレートに含まれるポリフェノールやカカオプロテイン(たんぱく質)が健康によいといわれるようになりました。またチョコレートのグリセミック・インデックス(GI値)が低いことを前面に打ち出した商品も見受けられます。
明治のホームページによると、カカオに含まれるポリフェノールには、血圧低下、動脈硬化予防、美容効果、アレルギーの改善、脳の活性化、便通改善と、嬉しくなるような言葉が並んでいます。例えば血圧低下の項には、カカオマスに含まれるポリフェノールが血管壁の炎症部分に作用し、炎症が軽減されることで狭くなっていた血管が拡張され、血圧が下がるとの説明があります。確かにそのようなメカニズムは考えられますが、薬ではないので、すべての人に確実にそのような効果が期待できるわけではなさそうです。自分の体の様子を見ながら、試してみることをお勧めします。
チョコレート効果95%
ホワイトチョコレートもグルテンフリーだが・・・
では、ホワイトチョコレートはどうでしょうか。ホワイトチョコレートはカカオマスを使わず、粉乳、ココアバター、砂糖などからできています。したがって、黒いチョコレートと同様、グルテンフリーです。ですが、カカオマスが入っていないので、体によいとされるポリフェノールやカカオプロテインは含まれていません。チョコレートは薬でも、健康食品でもないので、健康になることを期待して食べる人は多くないと思いますが、砂糖にカカオの脂肪と牛乳のたんぱく質などが混ざったもので、チョコレートとは似て非なるものと考えたほうがよいかもしれません。
アイスクリーム
ソフトクリームのコーンともなかにはグルテンが入っている
アイスクリームそのものには小麦成分は入っていませんが、ソフトクリームのコーン、もなかの皮、付け合わせのウエハースなどには、原料として小麦粉が使われています。コーンという名前なので、トウモロコシが使われてるのかと思われがちですが、corn(とうもろこし)ではなくcone(円錐)なんですね。ソフトクリームのコーン1個には推定で0.6gのグルテンが入っています。モナカも小麦粉で作られていることが多いので、モナカアイス1個あたり、推定で1.6gのグルテンが入っています。また、カフェで提供されるアイスクリームには、ウエハースが添えられていることがよくあります。ウエハース1枚(重さ7g)には、推定でグルテンが0.5g含まれています。グルテンを避けたい方は、コーン、モナカとウエハースに注意しましょう。
アイスクリーム
ところで、アイスクリームとまとめて紹介しましたが、厳密には、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓の4種類に分けられます。ちなみにこれは日本の厚生労働省が決めた基準に基づく名前です。何を基準にしているかというと、乳脂肪分と乳固形分です。乳脂肪分というのは、牛乳に含まれる脂肪分、乳固形分というのは、牛乳から水分と乳脂肪分を除いたものです。乳固形分にはたんぱく質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどが含まれています。アイスクリームと名乗ってよいのは、乳脂肪分が8%以上で、かつ乳固形分が15%以上のものに限られます。ちなみに乳脂肪分が3%以上で、かつ乳固形分が10%以上のものがアイスミルク、乳固形分が3%以上(乳脂肪分については決められていないので、ゼロでもよい)がラクトアイス、それ以外は氷菓となります。
せんべい
米で作ったせんべいはだいたいグルテンフリー
せんべい
米粉を原料にしているせんべいは、基本的にグルテンフリーと考えてよいでしょう。米で作ったせんべいのアレルギー表示欄を見ると、小麦と書いてあるものが結構あります。原材料表示に、しょうゆ、粉末しょうゆなどと書かれています。それ以外に小麦が入っていそうな原材料がないか調べましたが、いまのところ見つかっていません。しょうゆには小麦が入っているので、原材料、アレルギー表示に小麦と書かなければなりませんが、しょうゆのところで説明しているとおり、しょうゆの中にはグルテンは残っていないので、グルテンフリーと考えて差し支えありません。20種類くらいのせんべいを調べましたが、世の中には数えきれない種類のせんべいがあるので、自分で確認して下さい。
小麦粉が原料のせんべいはグルテンを含みます
太鼓せんべい太鼓せんべい原材料表示
一方、小麦粉を原料にしているせんべいもたくさんあります。南部せんべい、味噌せんべい、瓦せんべい、そして写真の太鼓せんべいなど。だいたいが、小麦粉、砂糖、卵などを原料にした甘いおせんべいです。これらは当然グルテンが含まれています。とにかく、原材料表示を確認することが大事です。
ポテトチップス
ポテトチップスそのものには小麦成分は含まれていません。ただしコンソメ風味の製品には、小麦が使われています。
ポテトチップスいろいろ
例えばカルビーポテトチップス・コンソメパンでは、チキンコンソメパウダーと粉末しょうゆに小麦成分が含まれているようですし、YBCチップスターのコンソメでは、チキンエキスパウダーとたん白加水分解物に小麦成分が含まれている可能性があります。
一方、しょうゆ風味のものもアレルギー表示に小麦と書かれていますが、しょうゆや粉末しょうゆ以外に小麦由来の原料がない場合は、グルテンは含まれていないと考えて差し支えありません。しょうゆに含まれるたんぱく質は、醸造の過程で分解され、残っていないからです。
カルビーコンソメパンチ 原材料表示YBCチップスターコンソメ 原材料表示しょうゆ風味 原材料表示
こんにちは。 小麦などにアレルギーがある人にとって、ポテトチップスは比較的安心して食べることができるスナックです。でも、…
じゃがりこ
ジャガイモのでんぷんを原料としたじゃがりこ。ご当地ものを含めると多くの種類が発売されています。
じゃがりこ
定番商品のサラダ、チーズ、じゃがバター、たらこバターはグルテンフリーですが、期間限定や地域限定の商品には小麦成分を含んだものがあります。アレルギー表示欄に小麦と書いてあるので、注意してください。わたしが確認した範囲では、のり塩バターと関東のりだし味に含まれている粉末しょうゆが小麦由来の原材料でした。しょうゆの中の小麦たん白質は、醸造の過程で分解されて残っていないので、グルテンは含まれていません。例外もあるかもしれませんが、基本的にじゃがりこはグルテンフリーと考えてよいでしょう。
サラダ、チーズ、じゃがバター、たらこバターの成分表示
のり塩バターと関東のりだし味の成分表示
ミックスナッツ
衣掛けしたナッツにはグルテンが入っていることがある
ナッツやピーナッツ(落花生)は、不飽和脂肪酸やたんぱく質、食物繊維、ミネラルを多く含む一方で、炭水化物が少ないため、できれば毎日摂りたい食品です。
ミックスナッツ
ナッツやピーナッツにはグルテンは含まれていませんが、売っているものの中には、そのままローストしたものと、味、香りを付けたり、食感をよくする目的で、衣掛けしてからローストしたものがあります。衣掛けには、小麦粉、米粉、砂糖、シーズニングパウダーなどが使われますが、小麦粉で衣掛けしたものには、グルテンが含まれています。
ミックスナッツ 素焼きと衣掛け
衣掛けしたナッツやピーナッツばかりなら、すぐに気が付きますが、わかりにくいのは、ミックスナッツです。例えば写真のミックスナッツは、素焼きのピーナッツと小麦粉で衣掛けしたピーナッツが混ざっていました。袋のアレルギー表示を見れば、小麦と書いてありますが、もともとミックスナッツに小麦が入っているなんで、思いませんよね。使われている小麦の量が少ないので、小麦アレルギーやセリアック病でなければ、食べても大丈夫だと思いますが、グルテンを避けたい方は注意してください。
ういろう
米粉が原料と思ったら、小麦粉が入っているものも多い
ういろう(外郎、外良、ういろ)は米粉などのでん粉に砂糖と水を混ぜて、型に入れてせいろで蒸した和菓子です。名古屋や小田原の定番のお土産で、買うことも、頂くことも多いのではないでしょうか。
ういろう
白色のもののほか、抹茶、黒糖、さくらなど、いろいろな味と香りが楽しめ、とてもおいしいですよね。原料として米粉(うるち米、もち米)が主に使われますが、小麦粉を使っている場合もあります。必ず製品の原材料表示を確認してください。小麦粉が米粉より前に書いてある製品、すなわち小麦粉の方が米粉より多く含まれているういろうもあります。この場合は、かなりの量のグルテンが含まれている可能性があります。
米粉だけでできたういろうの原材料成分
米粉に小麦粉が加わったういろうの原材料成分
ういろうに似た和菓子で、ないろう(内良)というのをご存じでしょうか。これは名古屋の大須ういろという会社が販売しているもので、ういろうにこしあんを加えて羊羹に近い味と食感にした和菓子です。黒糖味のういろうと見た目は似ていますが、ういろうと羊羹を足して二で割ったようなものでしょうか。ちなみに大須ういろでは、ういろうをういろ(外良)、ないろうをないろ(内良)という名前で販売しています。同社の販売サイトを見たところ、ういろには小麦粉は入っていませんが、ないろには小麦でん粉が使われているようです。