ブレインフォグはウイルス感染の後遺症としてもっとも多い!?原因は?

ブレインフォグという軽い認知障害のことが、最近メディアで取り上げられています。

頭の中に霧がかかったような感じがして、集中力や注意力の低下、物忘れなどの症状がでるというものですが、いま猛威をふるっている感染症の後遺症として、多く報告されているのだそうです。

しかも、長期間たってもなかなか改善しない場合もあるとか。

ところでこのブレインフォグ、筆者はメディアで取り上げられる前から知っていました。

グルテン誘発性神経認知障害として、このサイトでご紹介しているからです。セリアック病や非セリアックグルテン過敏症の人の9割で見られる症状として記事にしています。

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ブレインフォグの原因は炎症反応

「ん?ブレインフォグって、グルテンが原因で起きるんじゃなかったの?ウイルス感染の後遺症?」

最初に後遺症のひとつとして耳にしたときには、少し混乱しました。

いま一度ブレインフォグの原因を思い返してみると、自己免疫疾患であるセリアック病では、グルテンを撃退するために、炎症性サイトカインという物質がたくさん作られて、それが脳の認知機能を低下させる、ということだったはずです。

と、いうことは新型コロナウイルス感染症にかかると、炎症性サイトカインがたくさん作られる、ということでしょうか……!

うーん。筆者の手に負えない話になってきたので、当Webサイトの薬剤師Hirataに聞きました。

Hirata
ウイルスに感染するとこれを撃退するために免疫が働きます。
免疫は私たちのからだに生まれつき備わっている機能で、体内にウイルスや細菌のような「異物」が侵入すると、からだの中のさまざまな免疫細胞が炎症反応を起こし、異物を攻撃し、排除しようと働きます。ウイルスに感染すると熱が出ますが、これもウイルスを殺そうと、わざと高い温度にしているためです。この炎症反応に関わる物質が、炎症性サイトカイニンケミカルメディエーターといわれる化学物質です。ウイルスに感染すると、炎症性サイトカイニンがたくさん作られ、ウイルスと戦っているのです。

後遺症のブレインフォグはグルテンが原因の場合とメカニズムは同じ?

後遺症でおこるブレインフォグについて教えてください!

Hirata

ウイルスに感染すると炎症性サイトカイニンが作られます。

今回のウイルスは人間にとって手ごわいウイルスで、人によっては撃退するまでに時間がかかる場合があります。ウイルスが存在し続ける間、炎症性サイトカイニンも作り続けられ、血液中の濃度も上昇します

そして大量に作られた炎症性サイトカイニンは血液に乗って全身に運ばれます。

脳の血管には、血管脳関門といって、異物が脳の中に入らないようにしているバリアがあります。ところが炎症性サイトカインが血液脳関門の上皮細胞に結合すると、このバリア機能が緩み、脳へ白血球が入っていきます。

白血球は脳の神経線維の炎症化と損傷を促進するため、神経伝達速度(処理速度)が低下し、軽い認知障害が起きます。これがブレインフォッグといわれるものです。

ですから、今回の感染症で起きるブレインフォッグは、グルテンを「異物」と認識するグルテン過敏症の人がグルテンを摂ったときに起きるブレインフォッグと、同じメカニズムと推定されます。

なるほど、メカニズムは同じと考えられるんですね!

ブレインフォグの症状と回復までの期間

ブレインフォグの症状についてもおさらいをお願いします。後遺症ならではの症状とかあるんでしょうか。

Hirata

血液中の炎症性サイトカイニンの濃度が下がると、脳への白血球の侵入はなくなるので、脳の神経線維の炎症化と損傷は、ある程度のところで治まります。

ただ損傷の度合いによっては、神経線維がもとの状態に回復するまでに時間がかかるため、ウイルスが体内から消えた後も、しばらくの間、後遺障害としてブレインフォッグが残ることが考えられます。

今回の感染症では、味覚障害嗅覚障害も、後遺障害として報告されています。断定はできませんが、これも脳の味覚や嗅覚に関わる神経線維が損傷を受けたことによる可能性があります。

グルテンが原因ならグルテンフリー食で改善するが、後遺症は…?

グルテン誘発性神経認知障害としてのブレインフォグの場合、グルテンフリーの食事を摂るようになると、12か月以内に神経認知障害の症状が見られなくなるそうです。

原因がグルテンなので、取り除けば改善する、ということですね。

では後遺症が長引いてしまった場合、なにかできることはあるのでしょうか。

Hirata

いまのところ有効な手立てはないようです。損傷した脳の神経線維がもとに戻るのを待つしかない、ということです。

グルテンが原因の神経認知障害は、症状がなくなるまで、最長12か月程度かかるといわれています。

感染症による味覚障害も解消するまでに、3か月から最長1年かかったという報告が海外でありました。

ただ効果があるかどうかわかりませんが、できるだけ炎症反応を起こさないようにするのは有効ではないかと思います。例えば風邪をひかない、アレルギー反応を起こさないなど・・・。

花粉症もアレルギー反応なので、花粉が飛ぶ時期には早めに薬を飲んで予防するとともに、原因物質を吸い込まないように注意することが大事です。

炎症性サイトカインを増やさないことが重要のようです。日頃からご自身の体調をまめにケアしてあげてくださいね!

まとめ

  • ウイルス感染の後遺症として最も多いといわれている「ブレインフォッグ」は、脳の神経線維の炎症化と損傷によって、神経伝達速度(処理速度)が低下し、軽い認知障害が起きている状態。
  • ウイルスを撃退するために免疫細胞が作った炎症性サイトカイニンが原因で起きていると考えられる。
  • グルテンを異物と認識するグルテン過敏症の人がグルテンを摂ったときに起きる「ブレインフォッグ」と同じメカニズムと推定される。
  • 味覚障害、嗅覚障害も同じメカニズムで起きていると考えられる。
  • 損傷を受けた神経線維が元の状態に戻るのを待つしかない。

グルテンフリー食品まとめ

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